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サービスや製品を選択するときに非機能要件に注目してみる!

様々なICTに関するサービスや製品を利用するときに最初に気にかけるのは、どのようなサービスや機能を利用するのかということになると思います。これらは、「機能要件」とよばれるもので、サービスや製品を定義する際に、まず思い浮かぶものです。しかし、いかに便利なサービスや製品であっても、動作が遅かったり、情報漏洩等のセキュリティ問題が発生したり、メンテナンス性が悪かったりしたら、サービスや製品の選択に失敗したと思うことでしょう。これらは、「機能要件」に対して「非機能要件」とよばれ、イメージしにくいものとされています。今回は、この「非機能要件」に注目してみたいと思います。

非機能要件とは

非機能要件の定義として、「機能要件でないもの」というのはわかりにくすぎるので、例をあげて考えてみたいと思います。以下は、IPA(情報処理推進機構)提供の「システム構築の上流工程強化(非機能要求グレード」をもとに、個人的に整理してみました。

  • 可用性・・・利用可能な時間帯が十分であるか、故障に備えて機器の冗長化がされているか、災害対策がされているか
  • 性能・拡張性・・・性能、容量が十分であるか、今後の利用増加に対応できるか
  • 運用・保守性・・・監視体制は十分であるか、問題発生時の対応力は十分であるか、バックアップを取得しているか、メンテナンスが可能であるか、問題解消や機能改善等のためのアップデートが可能であるか、時刻同期がされているか
  • 移行性・・・移行する場合の移行期間や移行方法が妥当であるか
  • セキュリティ・・・適切な利用制限、不正アクセスの防止対策がとられているか、情報漏洩対策がされているか
  • システム環境・エコロジー・・・自然環境に悪影響を与えているか、与える可能性がないか、適切な廃棄ができるか

適用例

それでは、自分が選択しようとしているサービスや製品が、自分が求める「非機能要件」を充たしているか実際に適用してみたいと思います。

適用例①:ショッピングサイトの選択(サービス選びの例)

サービス選びの例として、ショッピングサイトの選択に適用してみました。

  • 可用性・・・利用可能な時間帯が十分であるか、故障に備えて機器の冗長化がされているか、災害対策がされているか(このような対策が施されていると信頼できる団体が運営しているか)
  • 性能・拡張性・・・性能、容量が十分であるか、今後の利用増加に対応できるか(このような対応がされていると信頼できる団体が運営しているか)
  • 運用・保守性・・・監視体制は十分であるか、問題発生時の対応力は十分であるか、バックアップを取得しているか(このような対応がされていると信頼できる団体が運営しているか)
  • 移行性・・・移行する場合の移行期間や移行方法が妥当であるか(システム移行の際に、利用者に負担をかけるようなシステムでないか)
  • セキュリティ・・・適切な利用制限、不正アクセスの防止対策がとられているか、情報漏洩対策がされているか(このような対策が施されていると信頼できる団体が運営しているか)
  • システム環境・エコロジー・・・自然環境に悪影響を与えているか、与える可能性がないか(このような対応がされていると信頼できる団体が運営しているか)

これらの点は、サービス内容や利用規定に書かれていればよいですが、なかなか判別しにくいですね・・・。企業のホームページを見て、関連の認証を取得しているか確認するのも一つの手段になります。その他の例として、通信におけるサービスにおいては、電気通信事業法などの法律を守る必要があるので、電気通信事業者であれば、通信の秘密を守ることが義務付けられているので通信上の情報漏洩の可能性が少ないなど、法律に則ったサービスであるかの観点から安全なサービスであるか判断する方法があります。例えば、通信事業者が運営するのではないオンラインサービスなどで行った会話(チャット等)がどこまで秘匿されるのか、考えてみるとよいでしょう。

適用例②:スマホの選択(製品選びの例)

製品選びの例として、スマホの選択と購入に適用してみました。

  • 可用性・・・壊れにくい製品であるか、バッテリーの持ちが良いか、世界で利用者の多い実績のあるメーカ・機種であるか
  • 性能・拡張性・・・仕様上のCPUメモリのスペックは十分であるか、ベンチマークの性能は良いか(レビュー記事などで)、外部メモリーはどれだけ追加できるか
  • 運用・保守性・・・バックアップは取得できるか、壊れたときにメンテナンスに出すことができるか
  • 移行性・・・他のスマホに乗り換えたくなった場合にアプリの設定の移行、データ移行、キャリアの変更が難しくなることがないか
  • セキュリティ・・・どのような認証方式が利用できるか、その方式に脆弱性がないか、情報漏えいするようなメーカの製品でないか、脆弱性が見つかった場合にアップデートがされるか、勝手にクラウドを利用したりしないか
  • システム環境・エコロジー・・・環境に悪い物質を使用していないか、廃棄方法が明確であるか(キャリアへの返却やリサイクル等)

これらの点についてしっかり考えていくと、製品選びだけでなく製品を利用してから廃棄するまでの製品利用のライフサイクルやプロセスを意識することになり、実際に自分がどのような使い方をしていくのか考えていくことになるでしょう。

おわりに

適用例は、いかがだったでしょうか。機能以外の部分にも着目すると、よい製品選びができるようになると思います。その他にもサービス提供者の企業体質など、各個人で加えたくなる項目があるでしょう。いずれにしても考慮点は多いので、是非、本記事をもとににチェックシートなど作成して、よいサービス・製品選びに活用していただければと思います。

参考

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