CPUのロードマップとCPUの選び方(Intel編)

パソコン用のCPUといえば、IntelとAMDであるが、特に最近のIntelのCPUは製品群が多くわかりにくい。選択肢が多いのは良いが、製品群毎に著しい性能差があるわけではないからである。そこで、IntelのCPUの選び方のポイントを整理してみたい。

CPUの世代

CPUは、技術革新とともにアーキテクチャーが変わってくるが、Intelは、1年程度の短いスパンで新しい製品を市場に出してくる。世代と開発コード名がキーワードになるが、近年はCPU技術の成熟度が増し、世代が変わっても性能が劇的に変化するわけではない。一番の原因は、CPUのクロック数が技術的な上限に達してしまったことである。現在の流れは、コア数の増加、低消費電力、GPU機能や周辺チップセットの機能の取り込み、モバイル用のCPUの性能強化になっている。実際にCPUを購入する際は、CPUと合わせる必要があるマザーボードのソケットの規格やメモリの規格を軸に、クロック数重視か、マルチコア重視かで選択することが多いと思われる。以下に、最近のCPUの世代についてまとめてみる。

第10世代(2)(Ice Lake)

  • ソケット規格 :-
  • プロセスルール : 10nm
  • メモリ規格 : DDR4(使用可能なメモリクロックなどの規格は要確認)
  • リリース年 : 2019
  • 備考 : グラフィック強化モデルあり、マルチメディア・ゲームに強い
  • 特徴 : モバイル用、Wi-Fi 6、Thunderbolt 3

第10世代(1)(Commet Lake)

  • ソケット規格 :-
  • プロセスルール : 14nm
  • メモリ規格 : DDR4(使用可能なメモリクロックなどの規格は要確認)
  • リリース年 : 2019
  • 備考 : 多コアモデルあり、オフィス用途に向く
  • 特徴 : モバイル用、Wi-Fi 6、Thunderbolt 3

第9世代(Coffee Lake Refresh)

  • ソケット規格 :LGA1151
  • プロセスルール : 14nm
  • メモリ規格 : DDR4(使用可能なメモリクロックなどの規格は要確認)
  • リリース年 : 2018
  • 備考 : (チップセット)Intel® 300 Series Chipsets
  • 特徴 : ダイサイズの大型化とコア数の増加

第8世代(Coffee Lake)

  • ソケット規格 : LGA1151
  • プロセスルール : 14nm
  • メモリ規格 : DDR4(使用可能なメモリクロックなどの規格は要確認)
  • リリース年 : 2018
  • 備考 : (チップセット)Intel® 300 Series Chipsets
  • 特徴 : 対応チップセットの変更

第7世代(Kaby Lake)

  • ソケット規格 : LGA1151
  • プロセスルール : 14nm
  • メモリ規格 : DDR4(使用可能なメモリクロックなどの規格は要確認)
  • リリース年 : 2017
  • 備考 : (チップセット)Intel® 200 Series Chipsets

第6世代(Skylake)

  • ソケット規格 : LGA1151
  • プロセスルール : 14nm
  • メモリ規格 : DDR4、DDR3(使用可能なメモリクロックなどの規格は要確認)
  • リリース年 : 2015
  • 備考 : (チップセット)Intel® 100 Series Chipsets

CPUのロードマップとプロセスルール

CPUのロードマップを読み解く上で重要になるのは、プロセスルールである。プロセスルールが進化する(微細加工が可能になる)ことによって、多数の回路を搭載することが可能になるためである。これに伴い、CPUに搭載できるコア数、キャッシュメモリのサイズ、取り込むGPUや周辺チップセットの機能、消費電力などが決まってくる。プロセスルールの進化がない場合は、大枠として大きな性能の変化がないとみることができる。

CPUの選び方

以下、CPUの選び方をポイント別に整理してみたい。

CPUの選び方①:マザーボードがサポートするCPUとメモリの規格

CPUを選ぶ際には、関連するパーツと組み合わせて使用できないという事態は避けなければならないので、「マザーボードがサポートするCPUとメモリの規格」を最初の選択のポイントとした。マザーボードのソケットの規格が合わないと、そもそもCPUを差すことができないが、ソケットの規格が同じでもマザーボードのチップセットが対応していないと使用できないので、マザーボードがサポートするCPUをよく調べる必要がある。使用できるメモリも、CPUとチップセットが関連してくるので、特に過去のメモリ資産を再利用したい場合は、マザーボードとCPUとメモリをセットで捉えて対応状況を調べる必要がある。

CPUの選び方②:GPU性能

パソコンの利用形態がGPU性能を必要する場合、高性能のGPU性能をもつCPUで十分なのか、そこそこのCPUと高性能のGPUの組み合わせがよいのか見極めが必要である。もちろん高性能のCPUと高性能のGPUを選択すれば性能要件は充たせるが、必要以上に高価格になったり消費電力が多くなる可能性がある。
⇒CPU内蔵GPUでローエンドのGPUに近い性能を持つものあり

CPUの選び方③:シングルコア性能

CPUの性能は、マルチコア性能について語られる場合が多い。複数のプロセスやスレッドを使用せず並列動作を伴うことが少ないソフトウェアを使用する場合は、シングルコア性能を重視する必要がある。シングルコア性能を要求される用途では、コア数よりもCPUのクロック数を重視する必要がある。
⇒クロック数が3GHz以上など

CPUの選び方④:マルチコア性能/ハイパースレッディング機能

多数のアプリケーションを並行で使用する場合や、仮想環境を使用する場合は、並列で動作させることができるプロセスやスレッド数が重要になる。この場合は、CPUのクロック数を落としてもコア数が多く、ハイパースレッディングに対応したCPUを選ぶ必要がある。
⇒Core i3以上で、コア数は4個以上、ハイパースレッディング機能ありなど

CPUの選び方⑤:消費電力

CPU性能を求めない用途の場合には、低消費電力、低価格のCPUが選択肢となる。
⇒Celeron、Pentiumも選択肢

CPUの選び方⑥:CPUの脆弱性対応(Meltdown、Spectre対応)

個人の使用でどこまで、Meltdown、Spectreを心配するかということがあるかもしれない。インパクトがあったのは、多数のユーザが使用するクラウドの場合である。ただし、パッチの適用などが、最新のCPU向けで、旧世代のCPUの場合にパフォーマンスダウンを起こすなどの懸念があるため、可能であればSkylake以降を選択したいところかもしれない。
⇒Skylake以降

CPUの選び方⑦:Windowsを使用する場合

Windowsの最新のOS、Windows 10 64bit版を使用する場合は問題とならないが、Windows 10 32bitと、Windows 7/8.1を使用する場合は注意が必要で、以下の対応状況となっている。

Windows 10

Window 10については、「インテル® プロセッサーの Microsoft Windows® 10 の対応状況について 」リンク参照を参照する。概要としては、以下の対応状況となる。

  • Windows 10 64bit : 基本的にすべての世代のCPUに対応
  • Windows 10 32bit : 第3世代より前のCPUに対応

Windows 7/8.1

Windows 7/8.1はサポート期限が近づいているので、新しいCPUがサポート対象となっていない。

  • Windows 7/8.1 : 第6世代(Skylake)以前のCPUがサポート対象

CPUの選び方⑧:ディープラーニングを使用する場合

ディープラーニングを行う場合は、基本的にCPUとGPUの組み合わせで使用することになる。この場合、CPUの能力はそれほど高くなくてもよいと思われるかもしれないが、CPUでもある程度の処理行われる可能性があり、ディープラーニング用のソフトウェアが、CPUの高速化機能(AVX等)を前提にコンパイルされている場合があるため、少なくともCeleronやPentiumではなく、Skylake以降等のCore i3以上のCPUを選んでおきたい。

総括

当然ではあるがCPUは、なるべく低価格で必要となる性能が得られるかをポイントに選んでいきたい。CPUの性能は頭打ちになっているとともに、低価格CPUの底上げが強く感じられる。性能が必要となる用途で選択を誤るともっさりとした動きのパソコンになってしまうし、高価なCPUを選べば性能面で問題は発生しにくいが消費電力の高いマシンになってしまう可能性がある。CPUの世代間の性能の変化は、CPUのプロセスルールに変化があったかを確認すると分かりやすい。CPUの選択は、「チップセット」との整合性を軸に、「コア数重視」なのか、「クロック数重視」なのか、「GPUの追加」が必要なのかを確認しつつ、最終的には相場を見て決めることになる。

参考

Intel

Microsoft

本サイト

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Intel Core i7(第9世代)