マイニング用マシンにGPUを増設します。GPUを増やすと、電源容量、GPUの配置と温度、設定の管理など考慮点が増大します。本稿記載時には、グラフィックボードを4枚から6枚に増設しました。
記事の目次
GPU増強時の考慮点
最初にグラフィックボード増強作業時の考慮点を整理します。
- グラフィックボードの配置場所
- 電源装置の電源容量
- PCI Express用電源ケーブル接続可能数
- ケースファンの設置
グラフィックボードの配置場所について
リグ内にいくつまで配置可能であるか確認が必要です。詰め過ぎると、GPUの温度上昇につながります。ケースFANの増設が必要になってきますが、設置間隔にも配慮が必要です。
電源容量について
GPU増設では、まず電源容量の確保が問題になります。十分な電源容量がない場合、電源装置の変更または増設が必要になります。
PCI Express用電源ケーブル接続可能数
電源容量の確保ができていても、PCI Express用電源ケーブル接続可能数が足りない場合があります。PCI Express用電源ケーブル1本でグラフィックボードを1枚接続するのか、2枚可能であるのかでもだいぶ変わります。電源側の指し口の数や、電源ケーブルからグラフィックボードへの差し口の数だけでなく、1本の電源ケーブルで供給可能なワット数にも注意が必要です。
ケースファンの設置
グラフィックカード3枚以上になると、内側のGPUの温度が格段に高くなり、グラフィックボードの配置が難しくなっていきます。GPUのFANの回転速度を上げることもできますが、ケースFANを設置することで大幅に温度上昇をおさえることができます。
GPU増強作業
GPUの増設作業は気を使う作業です。これまで安定運用していたGPUやライザーカードを壊さないように慎重に一枚一枚動作確認をしながら増設します。今回は必要ありませんでしたが、特にGPUを5個以上増設する場合は、BIOSの設定変更が必要な場合があるようなので、その点にも留意が必要です。
GPU増強後の作業
GPU増強後の作業がとても重要です。継続的にGPUの温度を確認しながらグラフィックボードの位置やケースファンの位置、回転速度を調整します。
GPU番号の確認と設定の修正
GPU増設すると、GPU番号が変わることがあります。GPU番号が変わることによりチューニングの設定が正しいGPUに割り当てられなくなることあり、GPU番号に合わせて即座に設定の修正を行います。
GPUの電力制御
GPU増設直後は、GPUの温度を徹底的に監視します。GPUのデフォルトの設定では、供給電力の制限がかかっていないため、大幅な温度上昇を招き、GPUの停止や自律的なパフォーマンスダウンを招くことがあります。よい配置が決まるまでは電力の制御を行う必要が発生する可能性があります。
GPUの温度の確認
リグの組み方とグラフィックボードの配置方法によって、GPUの温度が格段に変化します。慣らし運転をしながらグラフィックボードの位置やケースファンの位置や回転数を調整していきます。
おわりに
GPUの増設は、温度上昇との戦いになります。継続的な安定運用と、グラフィックボード、電源、GPUの劣化を防ぐため、効果的な放熱の方法についてノウハウをためていく必要があります。
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