Flightradar24で利用されているADS-Bの仕組みをまとめてみたいと思います。
記事の目次
ADS-Bの概要を理解する!
航空機は、GPSなどの衛星測位システムを利用して自分の位置を把握します。ADS-Bの仕様に合わせて、位置情報を含めた航空機の情報を定期的に送信します。正確な位置情報が得られることと、無指向性のアンテナを使用して安価に送受信システムを構築できることがメリットとされています。
ADS-Bのモードと仕様を理解する!
ADS-Bには、代表的モードとして、以下のモードがあります。
- モード3A・・・航空機が質問要求を受け取ると、トランスポンダーのスクォーク・コードを返すモードです。
- モードS・・・位置情報含めた航空機の情報を定期定期に送信するモードです。
Flightradar24では、モードSを活用します。
ADS-BモードSの信号方式を確認する!
ADS-BモードSの信号方式の概要は、以下になります。
- 送信周波数: 1090 MHz
- 変調: パルス時間変調
- データ転送速度: 1 メガビット/秒
- 短スキッタ長: 56 マイクロ秒
- 拡張スキッタ長: 112 マイクロ秒
ADS-BモードSの短スキッタの情報を確認する!
ADS-BモードSの短スキッタの情報は、以下になります。
- ダウンリンク形式 (DF)
- 機能 (CA)
- 航空機 ID (一意の 24 ビット シーケンス)
- CRC チェックサム
ADS-BモードSの拡張スキッタの情報を確認する!
ADS-BモードSの拡張スキッタの情報は、短スキッタの情報に加えて以下の情報が加わります。
- 高度
- 位置
- 機首方位
- 水平速度
- 垂直速度
dump1090コマンドの出力情報と見比べてみる!
dump1090コマンドの出力情報と見比べてみます。ADS-BモードSに含まれている情報が表示されています。
$ /usr/lib/fr24/dump1090 --interactive Hex Mode Sqwk Flight Alt Spd Hdg Lat Long RSSI Msgs Ti/ ------------------------------------------------------------------------------- 8464D2 S 2011 ANA1097 3350 202 136 35.523 139.875 -23.6 251 11 86DDD4 S 2165 2550 -24.8 7 32 86D2AA S 7302 ANA265 17750 -23.4 15 42 84C43E S 2403 SFJ85 7625 235 264 35.460 139.818 -20.3 638 0 86D6A4 S 3345 ANA35 15375 342 256 35.347 139.585 -19.1 881 0 4D0109 S 3256 ICV5717 28000 309 257 35.441 139.872 -24.7 272 3
Flightradar24の画面でADS-Bの情報を確認する!
ADS-Bで取得した情報は、Flightradar24の画面で航空機をクリックすると、画面の左下に表示されます。
ADS-Bによる航空機情報取得の課題をまとめる!
ADS-Bによる航空機情報取得の課題をまとめます。
- ADS-B情報の精度は、情報を取得する航空機に依存する。
- すべての航空機が、ADS-B情報を送信を行っているわけではない。(装置が取り付けられていない航空機が存在する。)
おわりに
ADS-Bで取得できる情報を理解すると、Flightradar24の情報表示の仕組みが、よく理解できるようになると思います。
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