電波の波長と通信能力についてまとめます。どれくらいの距離まで通信できるかが、利用する電波の波長の選択で重要なポイントになります。
波長と通信能力の一般的な関係は?
波長と通信能力の一般的な関係は、一般に以下の傾向になります。
- 地上波においては、波長が長いほど遠方まで届きやすい。
- 波長が長いほど、情報量が少なくなり、雑音が混じりやすくなる。
- 波長が長いほど、通信設備が大きくなりがちである。
- 電離層での反射が利用できると通信範囲が広がるが、波長が短いと電離層で反射しなくなる。
長波の特徴は?
長波の特徴をまとめます。
- 周波数:30〜300KHz
- 波長:1km〜10km
- 通信距離(地上波):1000km程度
- 電離層での反射:D層(昼間のみ)
- 代表的な利用方法:電波時計
中波の特徴は?
中波の特徴をまとめます。
- 周波数:300KHz〜3MHz
- 波長:100m〜1km
- 通信距離(地上波):100km程度
- 電離層での反射:E層
- 代表的な利用方法:AMラジオ
短波の特徴は?
短波の特徴をまとめます。
- 周波数:3MHz〜30MHz
- 波長:100m〜10m
- 通信距離(地上波):近距離※電離層での反射を使用すると地球の反対側まで
- 電離層での反射:F層
- 代表的な利用方法:短波ラジオ
超短波の特徴は?
超短波の特徴をまとめます。
- 周波数:30MHz〜300MHz
- 波長:10m〜1m
- 通信距離(地上波):近距離
- 電離層での反射:スポラジックE層
- 代表的な利用方法:FMラジオ、各種業務無線
おわりに
無線通信を行う際には、使用する周波数と電離層などの条件を加味して、通信を試みることになります。