ethOSの初期設定と動作確認を行う!

ethOSの初期設定を行い、マイニング用マシンの動作確認を行います。デフォルトでは、ethminerというソフトウェアでethereumのマイニングを行う設定となっています。

使用した環境

  • ethOS 1.2.7

Ethereumウォレットの準備

動作確認をするため、Ethereumのウォレットを準備します。ウォレットとしては、仮想通貨取引所などのオンライン上のウォレットを使用する方法と、Ethereum Walletなどのソフトウェアでローカルにウォレットを作成する方法が有ります。仮想通貨取引所を使用する場合はハッキングのリスクがあることから、動かさない仮想通貨はコールドウォレットに移動するなどの対応が必要になります。ローカルのウォレットはブロックチェーンの同期が必要になることと、PCの破損で仮想通貨のロストの可能性があることに注意して、バックアップを取得するなどの対応が必要です。Ethereumのウォレットを準備したら、ethOSへの設定のためEthereumのアドレスを控えておきます。

パスワードの設定

ethOSには、rootとethosユーザがデフォルトで存在し、パスワードがどちらもliveになっています。まず、最初にethosとrootユーザのパスワードを変更します。

ethosユーザのパスワード変更

ethosユーザのパスワードを変更します。

# passwd ethos

rootユーザのパスワード変更

rootユーザのパスワードを変更します。

# sudo passwd

タイムゾーンの設定

タイムゾーンを東京に設定します。

# ls -l /etc/localtime
# ls -l /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo
# sudo ln -sf /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime
# ls -l /etc/localtime

キーボードの設定

キーボードを日本語キーボードに設定します。

# sudo vi /etc/default/keyboard
...
XKBMODEL="jp106"
XKBLAYOUT="jp"
XKBVARIANT=""
XKBOPTIONS=""
...

ネットワークの設定

ethOSのIPアドレスの設定を行います。

IPアドレスの設定

リモートからのログインを想定して、固定のIPアドレスを割り当てるほうが使用しやすいと思います。そのために、以下のDHCPの設定をコメントアウト等で無効化します。

# sudo vi /etc/network/interfaces
auto eth0
iface eth0 inet dhcp

以下の例のようにWANルータ越し等で、インターネットにアクセス可能なIPアドレスを設定します。

# sudo vi /etc/network/interfaces
iface eth0 inet static
address 192.168.1.33
netmask 255.255.255.0
network 192.168.1.0
gateway 192.168.1.1
dns-nameservers 8.8.8.8

SSHの設定

IPアドレスの設定後は、SSHでログインします。セキュリティ強化のため、rootでのログインを禁止します。

#sudo vi /etc/ssh/sshd_config
...
PermitRootLogin no
...

ethereumマイニングの設定

/home/ethos/remote.confの1行目をコメントアウトし、リモートから設定をダウンロードしないようにします。複数のリグを使用する場合は、リモートから設定をダウンロードするほうが、設定変更を一斉に反映することが可能になりますが、リグが一つのみの場合はローカルの管理のほうが楽だと思います。

# sudo vi /home/ethos/remote.conf
#http://ethosdistro.com/pool.txt
#comment out or remove the top line to enable single-rig mode

force-localコマンドを使用することも可能です。/home/ethos/remote.confが0バイトのファイルになります。

# force-local
# ls -l /home/ethos/remote.conf
-rw-rw-rw- 1 ethos ethos 0 Apr  5 17:13 /home/ethos/remote.conf

以下変更します。

  • proxywalletを自分のEthereumのウォレットに変更します。アドレスの後には"/"に続けて、自分のメールアドレスを記載します。
  • proxypool1は、pool-usa.ethosdistro.com:5001からpool-asia.ethosdistro.com:5001に変えてみました。
  • autorebootは、3に設定してソフトクラッシュ時に3回は自動でリブートするように設定してみます。
  • custompanelは、ブラウザからマイニング用マシンの状態を確認するときのURLの設定で、前半6文字がURLに反映され、後半6文字は秘密鍵になります。再起動回数のカウンタは、clear-thermalsコマンドでリセットします。
# sudo vi /home/ethos/local.conf
maxgputemp 85
stratumproxy enabled
proxywallet 0x.../xxx@yyy.zzz
#proxypool1 pool-usa.ethosdistro.com:5001
proxypool1 pool-asia.ethosdistro.com:5001
proxypool2 pool-eu.ethosdistro.com:5001
flags --cl-global-work 8192 --farm-recheck 200
globalfan 85
autoreboot 3
custompanel aaaaaabbbbbb
...

マイニングのソフトウェアを再起動して、設定変更を反映させます。マイニングのソフトウェアはデフォルトで、電源ON後、自動で起動する設定になっています。

# minestop
# minestart

マイニングが開始されているか確認します。Mining on XXXの出力でハッシュレートが記録されていればマイニングが開始されています。

# show miner
tailing /var/run/miner.output (use ctrl+c to exit)
  m  10:42:54|ethminer  Mining on #ca06d549… : 20.87MH/s [A9+0:R0+0:F0]
  m  10:42:54|ethminer  Mining on #ca06d549… : 15.50MH/s [A9+0:R0+0:F0]
  m  10:42:54|ethminer  Mining on #ca06d549… : 20.66MH/s [A9+0:R0+0:F0]
  m  10:42:54|ethminer  Mining on #ca06d549… : 15.50MH/s [A9+0:R0+0:F0]
...

その他、ethOSで使用できるコマンドについては、以下のコマンドでヘルプを表示して確認することができます。

# helpme
...

Ethereumマイニング状況の確認

以下のURLにアクセスし、Ethereumのアドレスを入力します。

http://ethosdistro.com/pool/

nanopoolのページが表示され、マイニングの状況が確認できます。nanopoolのページの方ををブックマークしておくとすぐマイニング状況を確認できます。

リグの稼働状況の確認

helpmeコマンドの最後の方にStats Panelの項目に表示されているURLにアクセスすると、リグの稼働状況がWebページに表示されます。custompanelパラメータを「custompanel aaaaaabbbbbb」のように設定していると前半の6文字がURLに反映されて以下のように表示されるはずです。

# helpme
...
 Stats Panel:         http://aaaaaa.ethosdistro.com
...

ethOSのインストール状況の確認

一通り初期設定が終わったところで、ethOSのインストール状況の確認をしておきましょう。

ethOSのの状態確認

show statsコマンドで、マシンのハードウェア、ethOSのバージョン、稼働状況等をまとめて確認することができます。

# show stats
...
version:                                  1.2.7
...

マイニング用ソフトウェアの確認

マイニング用ソフトウェアのインストール状況を確認します。Ethereum、Zcash、Moneroのマイニングが可能なソフトウェアがインストールされていることがわかります。

# cat /var/run/ethos/miner.versions
ccminer 2.2.2-mod-ethos4
cgminer-skein 3.7.3
claymore v9.8
claymore-xmr v10.2
claymore-zcash v12.5
dstm-zcash 0.5.5
optiminer-zcash v1.7.0
sgminer-gm 5.5.5-gm-a
sgminer-gm-xmr 5.5.5-gm-a
ewbf-zcash 0.3.4b
ethminer 0.12.0.dev1

おわりに

ethOSの初期設定を行い、ethereumのマイニングが可能であることを確認しました。次回は、GPUのチューニングを行います。続きは、以下の記事にお進みください。

参考情報