クライアントPCの仮想化(VDI)を検討する!

クライアントPCも真剣に使用するようになると、バックアップをしたくなったり、OSの再インストールをしたくなったり、便利で安定したクライアントPCを求めるようになり、メンテナンス作業が必要になってきます。そのようなケースに備えて、クライアントPCの仮想化(VDI)を検討します。

クライアントPCの運用で解決したい課題を整理する!

最初に解決したい課題を整理します。

  • クライアントPCのバックアップを取得したいが、OSを含めたバックアップを取得するのが難しい。
  • 新たなソフトウェアをインストールしたが動作不良の場合に、ソフトウェアをきれいにアンインストールしたいが難しい。
  • 用途に合わせて、複数のクライアントPCの環境を使用したい。
  • クライアントPCの環境を、場所を移動しても利用できるようにしたい。

クライアントPCの仮想化(VDI)による解決策を整理する!

クライアントPCを仮想化(VDI)して、課題の解決を図ります。

  • 利用するクライアントPCを仮想化して、クライアントPCのバックアップを可能にします。
  • 利用するクライアントPCを仮想化して、クライアントPCのスナップショットを取得可能にします。
  • 利用するクライアントPCを複数、仮想環境として用意して、用途に合わせて使用可能にします。
  • 利用するクライアントPCを仮想化して、利用場所を選ばず接続可能にします。

クライアントPCの仮想化(VDI)のシステム構成を検討する!

クライアントPCの仮想化(VDI)のシステム構成を検討します。

  • 利用者の手元で使用するPCとクライアントPCの機能の仮想化用のマシンで構成する。
  • クライアントPCの機能として、Windows、Linuxに関しては、仮想環境として構築する。
  • 同一の環境を複数用意する場合は、仮想環境のリンククローンの機能を使用する。
  • 外出から接続可能にするには、クラウドが候補になるが個人利用には高額になることに注意する。
  • 外出先から自宅の利用を可能にする場合は、VPNによる接続環境を構築する。
  • 仮想環境に載せられない機能は、ホストOS上に構築する。
  • macOSは、仮想環境に載せられないので、VNCで物理マシンに接続する。一時利用であれば、「Amazon EC2 Mac インスタンス」の利用を検討する。
  • 仮想化したクライアントPCのリソースの割り当てを複数のクライアントの同時利用を想定して検討する。
  • 手元のクライアントPCは、ノートPCなどモバイルでの利用が考えられるが、VPNで自宅の環境に接続できない場合での対応として、VDI化したクライアントPCのみでなく手元のクライアントPCでも使用できるようにすることを検討する。

仮想環境に載せられない機能は、ホストOS上に構築する!

仮想環境を利用するソフトウェアは、仮想環境に載せられない可能性が高くなります。。ネスト化した仮想化で可能な場合もあるが、サポートされないケースがある。例えば、以下が対象となります。

  • Android StudioのAndroidエミュレータ
  • Docker Desktop

クライアントPCの仮想化(VDI)を行うの必要な環境を洗い出す!

クライアントPCの仮想化(VDI)を行うの必要な環境を洗い出します。

  • 利用者の手元で使用するPCと仮想化用のマシンが必要になる。
  • 利用者の手元で使用するPCと仮想化用のマシン用の複数のソフトウェアのラインセンスが必要になる場合がある。
  • 仮想化したクライアントPCへは、ホストOS、ゲストOSのどちらに対しても、RDPあるいはVNCでアクセスできるようにする。

手元のクライアントPCの構成を検討する!

手元で使用するクライアントPCの構成を検討します。手元で使用するクライントPCは、持ち運びを考えるとノートPCが便利であると思います。自宅で使用する場合は、画面の大きなディスプレイや、使いやすいキーボードとマウスを接続して使用するとよいでしょう。OSは、ノートPCに付属のWindowsのライセンスを大切にしたいので、Windowsを有力な候補にします。Windowsにこだわりがない場合は、Ubuntu DesktopなどのLinux系のOSを使用しても、快適なクライアントPCの環境を構築できます。Linux系のOSは、USBにインストールできるので、USBシンクライアント的な利用方法も可能です。

手元のクライアントPCにWindowsを使用する場合の構成を検討する!

手元のクライアントPCにWindowsを使用する場合の構成を検討します。

  • Windowsのクライアントにアクセスする場合は、Windowsに標準インストールされているリモートデスクトップの接続を使用する。
  • Linuxのクライアントにアクセスする場合は、VNCのクライアントソフトウェアをインストールして接続する。
  • Macにアクセスする場合は、VNCのクライアントソフトウェアをインストールして接続する。

手元のクライアントPCにUbuntu Desktopを使用する場合の構成を検討する!

手元のクライアントPCにUbuntu Desktopを使用する場合は、Ubuntuに標準でインストールされている。Remminaを使用します。Rmminaは、RDPとVNCの双方が使用できるので、統一したインターフェースで使用できるので、とても便利です。

おわりに

クライアントPCの仮想化(VDI)を行うと必要な機器が増え、ライセンスが複数必要になるデメリットもありますが、利用目的に応じてクライアントPCの機能を使い分けることが可能な、安定したシステム環境を利用できるようになるメリットがあります。