固定回線(WiMAX)でIP電話を使用する!(基本設定)

WiMAXは、無線接続でありながら通信速度もそれなりに速く速度制限も厳しくないことから、自宅で固定回線のように使用していることも多いと思います。VoIPアダプタを使用すればWiMAX経由で固定電話やFAXも使用できる可能性があるとのことで試してみることにしました。

目的

WiMAXとVoIPアダプタを使用して、固定電話とFAXを使用できるようにします。
・固定電話からの発信
・固定電話への着信
・FAX送信
・FAX受信

契約サービス

契約したサービスは以下の通りです。
WiMAX 2+
FUSION IP-Phone SMART

使用した機器(接続順)

使用した主な機器は以下の通りです。
・WiMAXルータ
NEC Wi-Fi WALKER WiMAX 2+ NAD11
・SW-HUB
NETGEAR GS105E-200JPS
・VoIPアダプタ
Grandstream Handy Tone-701
・固定電話機(FAX)
Panasonic KX-PD101DL(パーソナルファクス「おたっくす」 )

各機器の接続

・上記接続順に機器のケーブル接続を行い、電源を入れます。
※WiMAXルータとVoIPアダプタは、SW-HUBを介して有線LANで接続しています。
※「NEC Wi-Fi WALKER WiMAX 2+ NAD11」は、クレードルを使用すると有線LAN接続が可能になります。
P3090601s

VoIPアダプタ「Grandstream Handy Tone-701」のIPアドレスの確認

管理画面にアクセスするため、IPアドレスを確認します。
・受話器を上げて、「***」で発信し、「02」をプッシュします。
・音声でDHCPで割り当てられたIPアドレスが読み上げられるので、値を確認します。

VoIPアダプタ「Grandstream Handy Tone-701」のファームウェアのアップデート

VoIPアダプタ「Grandstream Handy Tone-701」のファームウェアをアップデートします。アップデートなしでは、うまく動作しませんでした。
・事前にファームウェア(1.0.7.3:2015/02/14時点の最新版)をGrandstream Networks社のホームページからダウンロードしておきます。※管理画面からもできるようです。
・確認したIPアドレスで管理画面にブラウザでアクセスし、管理者用の初期パスワード(admin)でログインし、ファームウェアをアップデートします。

VoIPアダプタ「Grandstream Handy Tone-701」の設定

VoIPアダプタ「Grandstream Handy Tone-701」の設定を行います。
・管理画面に管理者用の初期パスワード(admin)でログインし、以下の設定の確認と変更を行います。
<「BASIC SETTINGS」の設定>
# Time Zone
GMT+9:00 (Japan,Korea, Yakutsk)
# IP Address
statically configure as : IP Address / Subnet Mask / DNS Server
※DHCPでIPアドレスが変わるのが気になったので固定のIPアドレスを設定します。
※DNS Serverは、WiMAXルータのIPアドレスを設定します。
<「ADVANCED SETTINGS」の設定>
# NTP Server
ntp.jst.mfeed.ad.jp
※公開のNTPサーバを設定します。
インターネットマルチフィード時刻情報提供サービス
情報通信研究機構(NICT)
<「FXS PORT」の設定>
# Account Active
Yes
※Yesになっていることを確認します。
# Primary SIP Server
smart.0038.net
# Outbound Proxy
※設定なしで動作しました。
# NAT Traversal
Keep-Alive
※とりあえず、つながっていてほしいという気持ちをこめて・・・
# SIP User ID
※FUSION IP-Phone SMARTから通知のあったユーザIDを設定します。
# Authenticate Password
※FUSION IP-Phone SMARTから通知のあったパスワードを設定します。
# Preferred DTMF method
RFC2833
SIP INFO
In-audio
※電話のボタンを押したときの発信音とのことですが、デフォルトから変更しないで使用しました。
# Preferred Vocoder
choice 1 : PCMU
choice 2 : PCMA
choice 3-6 : PCMU
※FAXでPath-Throughを使用する場合は、PCMUあるいはPCMAを設定すべきとのことです。
※基本的にはPCMUを使用し、PCMAも使用可能な設定にしておきます。
※iLBCが入っていると、音声がおかしくなる・・・
# FAX Mode
Path-Through
※「FUSION IP-Phone SMART」は現状「T.38」をサポートしていないようなので「みなし音声方式」を選択します。
# SLIC Setting
JAPAN CO
※日本だから・・・?
# Caller ID Scheme
NTT Japan
※ナンバーディスプレイが使用できるようになります。

VoIPアダプタ「Grandstream Handy Tone-701」の設定確認

・4個のLEDランプがすべて点灯していること。
・管理画面(STATUS画面)で以下の状態であること。
Hook : On Hook / Registration : Registered / DND : No

VoIPアダプタ「Grandstream Handy Tone-701」の設定作業時の注意点

設定変更は、「Update」ボタンを押したのち「Apply」ボタンを押しますが、着信ができなくなったりしたことがあったため、テスト前には「Reboot」ボタンを押して再起動することをお勧めします。

固定電話機(FAX)「Panasonic KX-PD101DL」の設定

「Panasonic KX-PD101DL」の設定を行います。
<ファックス送信設定>
「Grandstream Handy Tone-701」との接続をTA接続に設定します。
【TA/スプリッター接続】
[機能]-[#172]-[決定]-[あり]-[決定]
<ファックス受信設定>
自動受信の設定を行います。
【自動受信】
[機能]-[#116]-[決定]-[する]-[決定]
【在宅時(呼出音3回後にFAXを受信する場合)】
[機能]-[#112]-[決定]-[3]-[決定]
※テストで使用した「HelloFax」のサービスが呼出音3回までに接続しないといけない仕様だったため。
【不在時(呼出音2回後にFAXを受信する場合)】
[機能]-[#121]-[決定]-[2]-[決定]
※テストで使用した「HelloFax」のサービスが呼出音3回までに接続しないといけない仕様だったため。

テスト方法

<固定電話からの発信>
IP電話から117などは使えないので、自分の携帯電話に発信して確認しました。
携帯電話の電源OFFにしてガイダンス音声で確認すると楽だと思います。
<固定電話への着信>
自分の携帯電話から発信して確認しました。
<FAX送信>
知り合いに感謝!
<FAX受信>
HelloFAXというサービスを利用しました。(FAX送信5回まで無料:2015/02/14時点)

機器の選択についての補足

今回のポイントとなる機器は、VoIPアダプタです。私は、電話機としても使えるFAX機「Panasonic KX-PD101DL」を接続するのが目的だったので、1回線用の「Grandstream Handy Tone-701」を選択しました。2回線用の「Grandstream Handy Tone-702」を使用して、電話機とFAXを分けるのもよいかもしれません。
Grandstream Handy Tone-701(1回線用)
Grandstream Handy Tone-702(2回線用)

呼出音と音量の調整

次に呼び出し音と音量を調整します。

呼出音の規約

呼出音には規約があり、通信事業者によって決められています。
なるべく近づけてみることにしました。
NTT東日本:<技術参考資料>電話サービスのインターフェース
NTT西日本:<技術参考資料>電話サービスのインターフェース

VoIPアダプタ「Grandstream Handy Tone-701」の呼出音と音量の調整

「Advanced Settings」の「System Ring Cadence」を以下に変更します。
c=1000/2000;
「ADVANCED SETTINGS」の「Call Progress Tones」を以下に変更します。

・「Dial Tone」(DT:発信音)
f1=400@-19,c=0/0;

・「Ringback Tone」(RBT:呼出音)
f1=400@-19,c=1000/2000;
※NTTの規約では変調がかけられるようですが、「Grandstream Handy Terminal」には変調の機能が無いようです。

・「Busy Tone」(BT:話中音)
f1=400@-19,c=500/500;

・「FXS PORT」の「Gain」の「TX」(送話音量)を以下に変更します。
+0dB(デフォルト値)
※こちらは状況次第で値を決めます。

・「FXS PORT」の「Gain」の「RX」(受話音量)を以下に変更します。
-6dB(デフォルト値)
※こちらは状況次第で値を決めます。

「Grandstream Handy Tone-701」のセキュリティ強化

一通り、機能的な設定が終了したので、「Grandstream Handy Tone-701」のセキュリティを強化します。

「Grandstream Handy Tone-701」の管理画面の初期パスワードの変更

まず最初に行いたいことは、管理画面の初期パスワードの変更です。デフォルトのパスワードのままネットワークに接続して、遠隔操作されてしまう被害は後をたたないとか・・・
・「Basic Settings」-「End User Password」を変更します。
・「Advanced Settings」-「Admin Password」を変更します。

「Grandstream Handy Tone-701」の管理画面のポート番号の変更とTelnetサーバの無効化

初期パスワード以外にも、管理画面のポート番号の変更とTelnetサーバの無効化で、管理機能に対するセキュリティを高めます。
・「Basic Settings」-「Web Port」をデフォルトの”80″以外に変更します。
・「Basic Settings」-「Telnet Server」を”No”に変更します。
※Telnetでの操作を行わない場合

「Grandstream Handy Tone-701」のSIP/RTPポート番号の変更

Grandstream側のSIP/RTPのポート番号を変更します。
・「FXS Port」-「Local SIP port」をデフォルト値の”5060″から変更します。
・「FXS Port」-「Local RTP port」をデフォルト値の”5004″から”1024″以降の値に変更します。

「Grandstream Handy Tone-701」のファームウェアの自動アップデート

脆弱性が発見された場合、素早くファームウェアをアップデートすることが大切です。ただ、自動でアップデートして確認しないまま使えていないという事態は避けたいので、「Advanced Settings」-「Firmware Upgrade and Provisioning」-「Automatic Upgrade」は”No”のままとし、手動でファームウェアをダウンロードしてアップデートする運用でいこうと思います。

IPアドレスによるフィルタリング

「Fusion IP-Phone SMART」では、SIPの接続先が公開されており、SIPの通信をIPアドレスで制限することが可能なようです。※下記参照。
「不正アクセスにご注意ください」
設定は、WiMAXルータなどに行うことになりますが、「Fusion IP-Phone SMART」のIPアドレスの定期的なチェックなど運用面も考えていく必要があり、今回は見送ることにしました。

おわりに

以上で、WiMAXでIP電話(固定電話/FAX)が使用できるようになりました。

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